2008-11-22から1日間の記事一覧

カントのスケッチ

カントの手になる理性の概念は、おもしろい。 理性は人間性を超越した或るものであるかのように彼は記している。行間から、俗流的な人間主義者たち、人間学的なもの、それから信仰に対する違和感をカントが感じていたであろうことが想像できる。 この理性は…

現代詩

わたしは現代詩を読むことが好きです。 谷川俊太郎というと、現代詩の読者には敬遠する向きもあるけれど、つまらない衒いから来たる振る舞いに過ぎないだろうと思っています。谷川俊太郎の詩は確かに、戦前戦後の詩の流れからみれば逸脱しているようだが、そ…

時代性について

時代、という言葉が空々しく感じられるようになったのは何時の頃からだろうか。 それには至極当たり前の理由がある。その概念はほとんど常に、過去の過ちの責任を免れようとする意図を持って多用されてきたのだから、ひとが時代という言葉に何かしら不信感を…