朱雀の、啼く

文学と、政治と。

カントのスケッチ

 カントの手になる理性の概念は、おもしろい。

 理性は人間性を超越した或るものであるかのように彼は記している。行間から、俗流的な人間主義者たち、人間学的なもの、それから信仰に対する違和感をカントが感じていたであろうことが想像できる。

 この理性はかれ独特の信念に基づいているように感じられる。

 いいかえれば、カントのイデオロギー性が明瞭に現われてしまうということだが、そうした部分にこそ哲学者としての独創が認められるという所だろうと思う。

 ところで、イデオロギーというと負のニュアンスを与えられる例を散見するが、如何なものか。

 それは不可避の思考の属性である。イデオロギー批判というのは、自己のイデオロギーについての自覚を欠いている場合、通俗的と看做すほかない。