安倍政権とは?

自民党公明党、安倍政権に関する雑記。安倍晋三総理大臣とその所属する自由民主党、及び公明党連立政権は、国会での多数を土台として、日本だけでなく近隣諸国をも巻き込んだ危機へと、人々を巻き込んできた。共謀罪(テロ等準備罪)の強行を止める事が出来なかった今、改めて安倍政権とは何か、自民党公明党とは何か、という問いを反省したい所である。

日本共産党は国民の党である事が綱領規約に明記されている。これは語弊を恐れずに敢えて書くなら、《自称右翼や保守勢力ではなく、左翼の多数派である日本共産党こそが真の愛国の党である》事実を示しうる。だが直ちに言わねばならないが、それは現在の綱領の立場であり、私は規約の定める所に応じ之を認めるが、私自身の立場と重なりつつも完全に等しい訳ではないし、また未来永劫に渡り日本共産党がこの立場を堅持するとは限らない。このような留保を置くのは、この点が、国家主義国民主義科学的社会主義、及び日本共産党綱領規約の内容其々の、一致と不一致の在り方を示しているからである。

と言うのも、人類と国家、そして自己を含めた一般的な個人の間にも、《全一性》の問題が横たわっている。若きヘーゲルらが追究したように、全一性は政治と人生の基本理念でなくてはならない。つまり、「一人は万民のため、万民は一人のため」(近代民主主義の基本的スローガン)は、「一国家は全国家のため、全国家は一国家のため」をも含意している。私は日本共産党国家主義国民主義は、一国民のためであることが世界のすべての人々のためであるという意味において支持する。

他方、自民党国家主義国民主義はどうか。中には例外的な存在もあろうが、支配的なイデオロギーは、一国家主義の形を取った対米従属主義と、血縁的な民族主義に基づく国民主義の形を取った階級主義である。つまり、自国のためと称して事実上の支配国家たるアメリカの利益を調達し、日本人のためと称して、支配的な経済人と大企業、グローバル企業の共通利益を拡大する。ここに自由民主党の主流があり、理念は常に方便に過ぎない。

なぜ、「自由」と「民主主義」を標榜する政党が、実際には、「戦前回帰」のイデオロギーに依って日本を動かすか。その存在の根底に深く刻み込まれた「アメリカ従属主義」と「反共主義」の帰結が一つある。自民党はその結党の根拠において、「戦前の絶対主義的な天皇主義」と「対米従属」が「共産主義」という共通敵のために、固く手を結んで生まれ、そこに目的を有する。また、社会的、資本主義的な根拠も指摘できる。日本政治のヘゲモニーを握る自民党の支持基盤の中心をなす資本家階級、つまり経団連のような団体に象徴される経済人や資産家、大規模な投資家らには、アメリカのような民主主義の経済システムを目指すよりも、戦前回帰的な体制を復古させたほうが、より利益拡大の目的に資するという判断がある。資本家階級の既得権益を安定的に確保し、利益を最大化させるための反民主主義的な体制への志向である。自民党及び安倍政権の政策は、自民党固有の存在根拠と、支持基盤の要求の交点に形成されているのである。

 

 

 

 

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