朱雀の、啼く

文学と、政治と。

備忘録

・何かと忙しない時代である。日本は大きな転換期を迎えているし、志位委員長が言うように、自民党政治の総決算が迫られている状況であるだろう。国会の様子を見ると、既に国民からの支持を失った第三勢力が、気の抜けた馴れ合い政治を続けてはいるが、時代が深刻の度を増していくにつれ、会議場のなかを緊張感ある静寂と怒号のコントラストが戻って来るに違いない。こうした緊張感ある時代だからこそ、自分の時間を大切にして、人間らしい感情の領域を守っていかなくてはならないと思う。

・講師資格試験の受験日も近いが、まだ用意が出来ていない。そもそも私の科学的社会主義との出会いは、多く文藝の影響下にあったと言ってよい。おそらく中学生の頃の柄谷行人の言説への接触が、マルクス主義というものの存在を教えた。しかし、太宰治にせよ坂口安吾にせよ、芥川龍之介にせよ、その頃に親しんでいた近代文学の作家たちは皆、直接にプロレタリア文学に踏み込むことはなくても、その影響圏にあったことはもう少し時が経ってから知ったものである。文学主義は、羞恥させるものであったとしても何ら誇るべきものではないが、それは政治的観点からのみそう言えるのであって、教養も人間観も生命観も、言葉の藝術が教える所は多い。教養主義の過ちには充分に警戒しながら、文学の路を歩み続けることは有益である。もし思想に脈打つ生命がないなら、政治もまた教養主義に了る他にありえないのである。