2010-01-01から1年間の記事一覧

受洗を控えて 2

雪が降り、少しづつ積もってゆく。おそらくパレスチナの地に雪は降らないだろうが、わたしの身勝手な想像の中で、イエス・キリストの十字架は、雪の中に屹立している。純白の雪を染め抜く血飛沫は、我々の罪の深さを証して余りあるだろう。その血飛沫がまた…

受洗を控えて 1

プロテスタントの教会に通い始めて一年がたち、翌月に洗礼式を控えている。聖書通読はなかなか捗らない。まだ受洗には準備が足りないようにも思われ、申し訳ないような気持ちでいる。洗礼を薦めて下さった牧師、ご承認頂いた教会員のみなさんには、感謝の言…

感 受 性

最近、気になっているよく判らない概念に、「感受性」というものがある。様々な現実的な出来事や、芸術作品に接して、敏感に心が反応する人のことを、「感受性が高い」と、いったりする。よく似た使われ方をする言葉には、「感性」といったものがある。どう…

備 忘

文学とは何だろう、文学者とはなんだろうか、と、思う。わたしの場合、信仰と学問との狭間において、それを問いかけている。聖書には全てが書かれているから、祈りながらその言葉に身を委ねればそれでいい、という考えは、おそらく正しい。信仰を志すものと…

断片 13

労働とは何だろうか、と、働きながら、考えたりもする。わたしの労働観の基礎は、いたって素朴なものだ。開拓民(=侵略者、でもある)の生活を、想起する。狩猟、採集、耕作。社会があって働く、というよりも、働くことで、これから社会が形成されていく、…

断片 12 (現実)

思考を拘束する、「現実」という言葉の呪わしい魔力には、いつも抵抗していたい、と、思う。「現実」なるものは、誰もが私有することのかなわない、「真理」のようなものなのだが、時に、説得のためのレトリックとして、この言葉が用いられることがあるから…

断片 11 (土地)(みえない核)

15歳までは、この、八雲の地で過ごした。学校の関係で、函館市に移り、そこで3年間を送って後、東京で暮らし始めた。 東京には、10年ほどはいたのだろうか。大学生活をそこで送り、その後、様々な出来事を経験した。再び、八雲の地に帰省して3年程にな…

断片 10

中上健次の作品を、思えばまだすべて読破した訳ではないのですが、最も心酔させられたのはやはり彼であって、わけても、「枯木灘」、「千年の愉楽」、「奇蹟」の諸作品であった。だが、中上健次の作品について語られるものを読んでみても、いつも裏切られる…

断片 9

戦後詩、というカテゴリーは、だいたい1970年頃のものまでを指すらしい。戦争のあと、という形で、「第二次世界大戦」の行われた時期をひとつの画期として定めているのだが、それはたんに世界史上の時代区分に倣ったものではなくて、詩史上にも、明らか…

断片 8

しずかな休日である。晴れていて風もあたたかい。窓からは、踊るように、傾いた西日が入ってくる。今日は、谷川俊太郎の詩集、石原吉郎の詩集、聖書、讃美歌集などをひらいては、茫然と眺めていた。讃美歌集の詞の言葉は、素朴ながら、ただ眺めているだけで…

断片 7

かつてロンドンにおける講演会で、ステファン・マラルメは、フランスにおける詩の定型からの解放の始まりを、ふかい驚きをもって伝えていた。それから100年以上の時が過ぎ、日本においてさえ現在では、詩とは一般に自由詩を指し、定型詩の試みはいずれも…

断片 6

アナーキズムに対して、さしたる理論的な関心はない。というより寧ろ、大杉栄にもクロポトキンにもバクーニンについても、わたしは殆ど知識を持たない。だが、近代文学にとってアナーキズムの様々な形態が果たした役割は、けして看過できないものがある。既…

断片 5

一方で私には、詩が何か高等な技芸であってたまるか、というような思いもまた、ある。飲みながらの愚痴、便所の落書きにこそ、詩の根源があるとするべきだ。そこからゆくと、現在の詩の書き手というのは、自由な心の領分すら、何かしら外的な秩序の拘束のも…

断片 4

殊更に、詩という、たかだかひとつの文芸ジャンルを祭り上げるつもりはない。だが、そこには、われわれの「心」の問題が依然として横たわっているのである。だから私はそれに拘泥する。いかなる発展もまたいかなる歴史的悲劇も、もしそれが人の「心」の問題…

断片 3

時代は確かにニヒリズムのものである。核心にある空虚を隠蔽するための笑顔が溢れている。おそらく、諸家が指摘する通り、それはかつてニーチェが、あるいはフーコーが予め指摘したような人間の没落の時代なのだろう。わたしはニヒリズムの徒でありたいなど…

断片 2

現代詩については、学生時代にいちばんよく読んでいたと思う。最近は余り目を通すこともないのだが、それは、わたしのなかで何らかの或るものが、失われているという感覚と深く関係するように思っている。図式的に整理することはさほど困難ではない。ようす…

断片 1

stingを聴いている。思潮社の現代詩文庫を何冊かクローゼットから取り出してみる。ページを捲りながら、とりたてて言葉も出てこない自分を訝しく思う。わたしは詩という文芸が好きである。だが詩の言葉の、なんと困難なものかと、改めて思います。ほんとうは…

ホームページ

七日くらい以前からになるでしょうか、ホームページの制作を始めて、ようやく公開が実現しました。このはてなダイアリのプロフィール欄にも記載していますが、urlはこちらになります。 http://akacanaria999.weebly.com/です。タイトルは、このページと等し…

テスト

テスト

近況

近況 さて、年が明けて第一回目のブログになります。生来、こういう日記の類を持続することを、大の不得手とする自分にしては、この「まっ赤なかなりあ」は、よく続いているものだと思います。ええまあ、非常に散発的な執筆に過ぎないのだけれども。ともかく…