2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

断片 13

労働とは何だろうか、と、働きながら、考えたりもする。わたしの労働観の基礎は、いたって素朴なものだ。開拓民(=侵略者、でもある)の生活を、想起する。狩猟、採集、耕作。社会があって働く、というよりも、働くことで、これから社会が形成されていく、…

断片 12 (現実)

思考を拘束する、「現実」という言葉の呪わしい魔力には、いつも抵抗していたい、と、思う。「現実」なるものは、誰もが私有することのかなわない、「真理」のようなものなのだが、時に、説得のためのレトリックとして、この言葉が用いられることがあるから…

断片 11 (土地)(みえない核)

15歳までは、この、八雲の地で過ごした。学校の関係で、函館市に移り、そこで3年間を送って後、東京で暮らし始めた。 東京には、10年ほどはいたのだろうか。大学生活をそこで送り、その後、様々な出来事を経験した。再び、八雲の地に帰省して3年程にな…

断片 10

中上健次の作品を、思えばまだすべて読破した訳ではないのですが、最も心酔させられたのはやはり彼であって、わけても、「枯木灘」、「千年の愉楽」、「奇蹟」の諸作品であった。だが、中上健次の作品について語られるものを読んでみても、いつも裏切られる…